夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!






「おめでとう!」

「お幸せに~!」



それから程なくして、私たちは結婚した。
ごく親しい人達を招いての、地味な結婚式だった。
うちの両親は、たっくんと私が結婚するということがなかなか信じられないみたいだった。
そりゃそうだよね。私もまだ半信半疑だもん。
たっくんの別れたお母さんも列席して下さった。



お母さんの手術の件は嘘ではなかった。
大人になってから、たっくんはお母さんとたまに連絡を取りあっていたみたいだ。
私が貸したお金は、返してしまったら、縁が切れるみたいな気がして返さなかったと言っていた。
もう良いって言ったのに、たっくんは律儀にお金を返してくれた。
樹也のことでは、水臭いと恭子さんにたいそう叱られた。



「ね、この子、アイドルにしようよ。
幸い、達也に似て可愛いから、きっと売れるよ!」

「もう~!どういう意味ですか!」



ファンクラブやメディアにも、結婚のことを報告した。
皆、意外と好意的で、ファンクラブの退会者もほとんどいなかった。



たっくんと知り合った頃に感じた感覚は、間違いではなかった。
ただのファンだった私が、ついにたっくんと結婚したんだよ。
これを運命と呼ばずして、なんと言う!?



樹也は、すっかりたっくんに懐いてしまった。
今では、私よりもパパ派だ。
私の真似をして、最近は、『パパ』じゃなく『たっくん』と呼んでいる。



まだなかなか慣れないことも、戸惑うこともあるけれど、頑張って乗り越えていくつもりだ。
たっくんがいつも見守っていてくれるし、私には可愛い樹也や、頼もしい恭子さんがついていてくれるから、きっと大丈夫。



今日も私は、最前列でペンライトを振る。
愛しいたっくんを応援するために。




~end.