夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!





「樹也、にんじん食べないと、おやつあげないよ。」

「や~だ~!おやつ、食べた~い!」

樹也のにんじん嫌いには困ったもんだ。
そんなに無理して食べさせなくても良いって、お母さんはいうけれど…
その時、玄関で物音がした。



あれ?誰か来たのかな?

引き戸のガラスには、スマートな男性のシルエットがぼんやり映り…



(えっ!?)

鍵が動いて、戸が開いて…



「……ただいま。」

「え……」

「なんて顔してるんだよ。
おかえり、だろ?」

目の前の光景が、信じられなかった。



「た、たっくん……」

「あぁ、疲れた。」

たっくんは、勝手に私の家に上がり込む。



「コーヒー入れ…え?」

たっくんが、居間にいた樹也を見た。



「誰…?」

「僕、樹也。」

「みっくん……?」

たっくんは樹也をみつめ、そして、私に向き直った。



「まさか、この子は……」

「わ、私の子よ。私、け、結婚したんです。」

「嘘つけ!どう見ても俺の子だ。
俺の小さい頃にそっくりだ!」

「ち、違う…!」

「なんで言わなかった!
こんな大切なこと!」

たっくん、怒ってる。
私が勝手に子供を産んだから。



「あなたに迷惑はかけません。
これからも、私ひとりで育てます。
この子のことは誰にも言ってないし、これから先も絶対に言いません!」