夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!

「じゃあ、行こうか?」

「え?」

たっくんはまだいるのに、もう行くの?
不思議な気はしつつ、私とおチヨさんは恭子さんの後に続いた。
恭子さんは通りに出て、タクシーを停め、私達はそれに乗り込んだ。
恭子さんが言ったのは、知らないビルの名前。
タクシーで10分もかからなかった。



「恭子、どこに行くの?」

「えっと…あった、その店だ。」

恭子さんが指差したのは、大衆イタリアンの店だった。
恭子さんの趣味とはちょっと違う感じの明るいお店だ。
恭子さんは、扉を開ける。
でも、扉に本日貸し切りって書いてあるよ。
大丈夫なのかな?



「いらっしゃいませ。
中園様ですか?」

「はい、中園です。」

恭子さん、中園さんって言うんだ。
今日、初めて知ったよ。
私達は、中に入れて貰えた。



「何か飲まれますか?」

「じゃあ、赤ワインを。」

ここで晩御飯を食べるのかな?
そういえば、急にお腹が減ってきたよ。
赤ワインがすぐに運ばれて来た。



「実はね、今夜、ここで劇団メランコリアの打ち上げがあるんだ。
さっき、オーナーに誘われたから。
さすがに全出待ちファンを連れてくるわけには行かないから、こっそり話してたんだ。」

打ち上げ!?
わぁ、また初体験だ。
打ち上げに出られるのは、普通関係者だけだよね?
あ、そういえば、恭子さんのこと、たっくんの知り合いか?って聞いてたね。
あれ?私やおチヨさんまで来て、大丈夫なのかな?
まぁ、私は一応、たっくんの婚約者だけど、オーナーさんには話してあるのかな?