夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!





「顔洗っておいでよ。酷いことになってるよ。」

「……はい。」

ステージが終わり、帰るのかと思いきや、恭子さんは出待ちをするという。
どうしようかと思ったけど、確かにこのままひとりで帰る気にはなれないから、私も待つことにした。
今日は、初めてのことがいっぱいあった。
疲れてもいるはずだけど、気持ちが高ぶってるせいか、全然疲れを感じない。



(わぁぁぁ…)



恭子さんの言った通り、本当に酷い顔だ。
あぁ、恥ずかしい。
トイレの洗面台で、ザバザバ顔を洗った。
冷たくて気持ち良い。
気分がますます覚醒していく。



お化粧し直したいけど、この間に出て来たら困るから、とりあえず、ファンデーションを塗って、眉毛だけ描いた。
なんかまだ酷い顔だけど、とりあえず、さっきよりはマシだね。



(うん、マシ!マシ!
大丈夫!)



会場の出口に戻ったら、まだ出て来てる様子はなかった。
ほっと一安心。
わぁ、けっこう多いね。
30人くらいはいる?
多分、ほとんど、たっくんのファンの人だね。
出待ちって、こんなにいるもんなんだ?
リュウ君の時はこの半分もいなかったよ。



「あれ?化粧、直して来なかったの?」

「は、はい。とりあえず、ファンデーションだけ塗り直して来ました。」

「まぁ、確かに感動はするよね。
達也の演技は最高だったし、しかも、それを最前で見たんだからね。
でも、それにしたって、あんたは泣き過ぎだよ。」

そう言って、恭子さんは苦笑した。