夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!





「本格的に寒い季節じゃなくて良かったね。」

「本当だねぇ。」



なんと、私たちは前日の夜から並んだ。
たっくんは、恭子さんに任せとけって言ったけど、そういうわけにはいかないよね。
さすがに、夜から並んでる人はいない。
私と恭子さんとおチヨさんだけだ。



「懐かしいね。美男子隊のイベントの時、よくこんなことしたよね。」

「今は前日の晩で一番が取れるから、楽だよね。」

え!?昔はもっと前から並んでたの?
確かに、美男子隊の人気はすごかったけど。



私はもちろんこんなことは初めてだ。
今夜は言ってみれば野宿なわけだ。
うわ~、なんだかすごい。



お菓子をつまみながら、私たちは他愛ない会話を交わした。
二人が話してくれた昔の美男子隊の話は、すごく面白かったなぁ。



夜中になり、ちょっと冷えてきた頃、一台の車が止まった。
降りてきたのは、シブい中年の男性。
長い髪が印象的だ。



「明日の公演に並んでるの?」

「はい。」

「ここらへん、けっこう危ないから帰って。
はい、これ整理券。」

男性は私たちに1から3の番号が書かれた紙をくれた。
『劇団メランコリア』のハンコが押してある。



「ありがとうございます。」

「こちらこそ、ありがとう。
明日は楽しんでね。」

「はい!」

男性は、私達に手を振り帰って行った。