夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!

「ホームレスでもたまにはコーヒーが飲みたかったんだね?」

「え?」

「あんたと達也は、昭和な喫茶店で出会ったんだろ?」

「え、そ、そうです。はい。」



危なかった。
前に、嘘吐いたこと、忘れてた。
たっくんがホームレスだったことは言ってしまったんだから、真実を話しても良いのかもしれないけど、一応は、嘘吐いとこう。



「あんた、達也がホームレスだって聞いて、どう思った?」

「え、そりゃあびっくりはしましたが…」

「そうだよなぁ。
……あーーっ!」

「ど、どうしたんですか?」

「わかったよ!
あの家はあんたが先に住んでたんだろ?
達也は、ホームレスから抜け出したくて、あんたに取り入ったんだね。
そうか、そうだったんだ。」

「ち、違います!
あの家はふたりで…」

「表札が『松原』になってた。」

「そ、それは…」

まずいな。
恭子さん、表札までしっかり見てたんだ。どうしよう?



「それは……そ、そう!
たっくんが再デビューするにあたって、同棲してる女性がいるってバレたら、ま、まずいと思って。」



あ、咄嗟にしては、良い言い訳を思いついたね。



「まぁ、それはそうかもしれないね。
でも、そんな心配しなくても、残念ながら達也のカムバックはないよ。
シェリーに手を出したなら、もう絶対に芸能界には戻れないよ。」

恭子さんはきっぱりとそう言った。