夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!





こんな風にコーヒーを飲むのも何回目かな?



「どうした?」

「え?」

たっくんが、私の頬を触った。
また知らない間に、涙が出てたみたい。



「何か、悩みでもあるのか?」

「え……」

そう聞かれただけで、私はさらに泣いていた。
やっぱり、私、病気にかかってる。
どうしよう?



「本当にどうしたんだよ。話してくれよ。」

「たっくん、私……」

話せない。
やっぱり、話しちゃだめだよ。
たっくんを落ち込ませるだけだから。



「たっくん…アメリカの話を聞かせて。」

なぜ、そんなことを言ったのか、自分でもよくわからない。



「アメリカの?
聞いても何も面白くないぞ。」

私は頷いた。




「アメリカへは、リュウ以外の三人で行ったんだ。
ジョージさんの親戚の家。
ロスにある豪邸だった。」

そうなんだ。
たっくんだけが行ったんじゃないんだね。
でも、なんでリュウ君以外?



「とにかく、毎日退屈だったよ。
することないから、いつも三人で酒飲んでた。
ジョージさんの親戚も何も言わなかったから、それを良いことに、酒ばっかり飲んでた。」

「アメリカにはどのくらいいたんですか?」

「そうだな。三年近くいたかな。
今にして思えば、すごくもったいないことをした。
英語の勉強をするチャンスだったのにな。」

そうだよね。
ネイティブの英語だもんね。
三年もいたら、かなり話せるようになりそう。



「なんせ、ジョージさんの親戚の夫婦は日本語ペラペラだし、ほとんど家にいたからな。
まぁ、テレビでなんとなく覚えた言葉もあるにはあるけど、片言でしかないからな。
本当にもったいないことをしたよ。」

なるほど。
確かにテレビでも覚えられるよね。
放送されるのは、全部英語なんだから。



「全く、無駄な三年間だった。」

「後悔してますか?」

「そうだな。やり直せるなら、やり直したいよ。」

その言葉には、実感がこもっていた。