夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!





「ご馳走様。みんな、すごく美味しかったよ。」

「そうですか、それは良かった。」

たっくんは、お粥もおかずも、ゼリーやプリンも、みんな根こそぎ食べまくってくれた。



「あぁ、久しぶりに腹いっぱいになった。」

(え……)



そうだよね。
たっくんはホームレス…
ってことは、お金もなくて、だから、食べるものもしっかり食べられなかったってこと?



(たっくん…可哀想……)



「……どうかしたの?」

「え?あ、あぁ、なんでもありません。
あ、そうだ、お熱を計ってみましょう?」

私は、たっくんに体温計を渡した。



「38.5℃だ…まだあるね。」

まだそんなに熱があるのに、良く食べられたね。



「じゃあ、またお薬飲んで、横になって下さい。
今は寝るのが一番ですよ。」

「ありがとう。
君には本当にお世話になったね。助かったよ。
今日もあのベンチで寝てたら、ますます体調悪化してたかもしれないね。」

「あの…本当にいつもあそこで?」

「本当だよ。たまには、カラオケやネットカフェにもいくけど、たいていはあそこだよ。
まぁ、冬になったら、さすがに無理だけどね。」

そうだよね。
真冬に公園のベンチで寝てたら、凍死するよね。



「あの…どうして、ホームレスに?」

わ!失礼な質問しちゃった!