「くそっ! なんで私がこんな目に……冗談だろっ! ……縮むだなんて下品な女どもだっ!」



 広場で行われた、助平祓いは珍事として語られることになる。女の敵ジョゼフに天罰が下った。


 友人たちは自分可愛さにジョゼフを売った形となり、陰から見守って? いた友人達は青褪めた様子で友人だった男を見ながら


「これくらいではすまないよなぁ……」
 とポツリと言う。

「女性を敵に回して良いことなんて……ないよな」

「なんであんなに若くて可愛い嫁さん手放そうとしたのか、分からない」

「羨ましすぎだろ、嫁さんも愛人もだなんて……天罰だな……」





「塩なんて嫌いだぁぁぁ!」

 ぺっぺっと塩を吐き叫ぶジョゼフ。




 それから急に雨が降り……



「うわっ! 最悪だ、早く風呂に入りたい」

 
 黒いジャケットやパンツは塩でまだらに汚れ無残な姿だった。


 頭にかけられた塩は髪に絡まり雨と混ざりしょっぱく、目に入ると酷く痛い。

 前を見ることもままならなく真っ赤な目でフラフラと歩くことがやっとだ。


 ジョゼフを乗せてきた馬車も帰ってしまい、この姿で歩いて邸まで帰ることになる。その姿は社交界で格好の餌食となり、笑い種になるのだった。


 爵位を失った事により社交界に出ることがない事から否定のしようもなく【悪霊に取り憑かれた助平な男】と名を馳せる事になる。



 社会的にも塩対応でのお仕置きとなった。