「なんのこと?」

「さっき休憩中に聞こえてきたんですけど、町でプラチナブロンドの可愛い店員さんがいるって噂になっていましたよ!」

 そっか、この髪の色目立つのかもしれないわね。明日から纏めてこよう。

「髪の色と……制服マジックね! この制服我ながら可愛いもの」

 制服のワンピースの裾をひらひらとさせる。白いエプロンも清潔で清楚な感じね!


「……ルーナさんって、周りにどう思われているかと気にならないタイプなんですか?」

「なんのこと?」

「このお店はお給料も良いですし、制服も可愛いですし働きやすそうです。こういうお店で働いていると世間的にはモテるんです」

「へぇ。そうなの! 知らなかった……」

「きっと明日からまたたくさんお客様が来ますよ」

 ふぅーん。それなら嬉しい。




 なんて思っていたのに…………


「いらっしゃいませ」

「いらっしゃいませ」

「「いらっしゃいませ」」


 もう喉がカラカラだわ。ちょっと疲れが溜まってきたみたい。それに比べて他の子達はなんて元気なの……

 昨日よりもお客様が増えた。男の人も多い。


「いらっしゃいませ、あ……」

「繁盛しているようだね」

 昨日の人だ。


「今日来てくださったという事は、昨日のクッキーは気に入ってくださったのですか?」

 笑顔で元気に明るく!

「とても美味しかったよ。甘すぎない所も良かった」

「貴方様が召し上がったのですか?」

「そうだよ。甘いものが好きなんだ。意外そうな顔をしているね」

 ……顔に出ていたのね。

「失礼いたしました。あまり甘い物を好むと言うイメージがなかったので、恋人かご家族に購入されたのかと勝手に思っていまして……」