契約の見直し?

 基本家にいることのないお兄様が暫くは王都に滞在することになったと聞いた。それにいつ遊びに来てもいいぞ! と言われてしまった。何かあったわよね?

 迎えに来たんだからと帰されたケド……


「ルーナ、せっかくだから、買い物に行かないか? 何かプレゼントさせて欲しい。欲しいものはないか? 生活をしていく中で足りないものとか」


 ジョゼフの申し出を固く断った。


「結構ですわ。欲しいものは自分で選んで買いますのでお構いなく。お気遣い頂きありがとうございます」


 いつかの誕生日の時、星のブローチを放り投げて渡して来たわね……嫌々プレゼントするならくれない方が良かったのに。あれはトラウマになった。


「今まで誕生日のプレゼントもろくに渡していなかった……申し訳ないと思っている。何でもいいから考えておいて欲しい」


 あまりにもしつこい申し出に分かりました。とだけ言い、用事があるからと言いジョゼフとは別々に帰ることになった。ついてこようとしたが頑なに断った。

 ジョゼフを撒いて、はぁ。っと一呼吸して、閃いた!! 離婚届にサインして貰えば良かった! 最高のプレゼントだわ。


 そう思うと足取りは軽くなる。行き先はもちろんオープン前のお店である水色を基調にした庶民向けのお店。

 什器が搬入されていて、売り子さんの面接はフェルナンドがすませてくれた。五人の売り子さんがローテーションで入ってくれることになっていて、職人さんは三人。

 売り子さんの研修もフェルナンドの会社の人がしてくれることになっているし、フェルナンドにはお世話になりっぱなし。