「これを? どうやって販売するの?」

 パパは私の話をちゃんと聞いてくれる。却下されるときももちろんあるけれど、なぜ却下かと言うことも説明してくれる。

「あのね、キャラクターにするの。愛らしい顔立ちにしてノートに印刷するの。可愛い動物に癒されて勉強もきっと捗ると思うの」

「そうだね、令嬢向けにいいのかもしれないね。それにこの動物は幸運をもたらすと言われているからそれも作用して人気が出るかもしれないよ。そうだな……令嬢向けに作るとしたらプラスして花も一緒に付けると可愛らしくなるね」

 ぱぁっーと顔を綻ばせるルーナ。

「お父様、すごい! ルーが思っていたよりもっと素敵になった」

 ルーナの頭を撫でながら愛おしそうに娘を見る。


「ルーすごいね。パドルさんも褒めていたよ。さすがパパとママの子だ」

 それからもパドルさんはベルモンド伯爵家によく来るようになって珍しい物をたくさん紹介してくれた。

 それは宝物のようにキラキラと輝いて見えた。

「ルーナお嬢様、私の息子を紹介します。歳はルーナお嬢様より二つ上です」

 パドルさんは商人をしているけれど外国の人で伯爵様なんですって。パドルさんずっと私に商人だって言ってたのに! 


「はじめまして。僕はフェルナンド・デュポンと言います。よろしくお願い申し上げます」

 緑色の瞳は新緑を思わせる爽やかな綺麗な色……ミルクティーのような薄い茶色の髪の毛が少し跳ねているところがなんだか可愛らしいと思った。

「はじめまして。パドルさんにはいつもお世話になっています。ルーナ・ベルモンドです」



 それからフェルナンドとよく会うことになった。ルーナは十二歳だった。