「えっ! スージーと行きますので大丈夫ですよ? 汽車に乗っているだけですもの」


「汽車の中でも良からぬものはいます……護衛を付けさせてください! 貴女がここにいる限りはフォローさせてもらう約束です。そうじゃなければ仕事は全てキャンセル、」
「護衛の方によろしくお伝えください!」

 
 強引すぎたような気もするが、汽車の中は個室だとは言え安心はできない。若い女性の二人旅だなんて途中で汽車から降ろされたりすると行方がわからなくなってしまう! それで人買いにでも……ゾッとした。


 ちょっとギクシャクしてしまったけど領地を案内して王都へと戻ることになる。王都まではもちろん汽車に乗る。我が領土には駅があるから王都まではすぐだ!

 駅からは馬車に乗り換えて学園まで送って行った。


「帰ってきたら連絡をください。お待ちしています」


「はい、色々とありがとうございます。少し時間はかかると思いますが……」

 告白の返事か……


「はい。いい返事をお待ちしています……と言ったら卑怯ですね。久しぶりに帰るのですから楽しんできてください」

「はい、公爵様と夫人によろしくお伝えください」


 快適な旅になるように、個室の良い席を取るように言い、途中での食事の手配を頼んでおいた。学園の休暇はあと一週間ほどだったよな……