ルーナの手に口付けて令嬢達の群れに戻っていった。図々しい奴だ! 


「……殿下の足は踏まなかったのですか?」

「踏みました……」

 思いっきり踏んでしまえ。


「殿下は踊り慣れているでしょうし、こう言った体験も一度や二度ではないでしょう。あまり気にする事はないかと」

 しゅんと落ち込むルーナ。それでもまだ踊りたい奴は沢山いそうだな……


「ほら、あと一人とダンスをすればクリアなんですよね? 誘いたくてうずうずしている男達がいますよ。あと一回頑張ってください。ダンスの後はゆっくりとスイーツを楽しみましょう」


 侯爵家の次男が誘いに来た。確かこの男には婚約者がいたはずだから安心だ。

 ダンスをを踊って戻ってきたルーナはへとへとで魂が抜けたようだった。

 その姿を見ていて普段とのギャップが可愛いと思った。今日は何をしていても可愛いんだな……


「はい、お疲れ様でした」

 パルフェを渡して席に着く。


「わぁ! いただきます」

 瑞々しいブドウにジェラートをトッピングしてもらった。疲れた体に染み渡るだろう。

「美味しいです。エミリオ様のおっしゃる通りストレスには甘いものですね! 一気に元気になりました。このブドウも美味しいです。ジェラートはさっぱりしていますね」

 嬉しそうにパルフェを食べるルーナを見ていて、こういうのを幸せと言うのだろうか……などと思った。


「宜しかったら今度収穫時に葡萄園に行ってみますか? ワインを作る様子を見ると季節を感じられて好きなんですよ」


「はい! 是非」