「ルーナさん、ようこそ。エミリオから相談を受けて急だけどうちにお招きしたの。侍女は医務室へ連れて行って、様子を見ましょうね。エミリオはどうしても決裁が必要な書類があって手が離せないのよ。もうすぐ会議も終わるからそれまではお茶でもいかが?」


 フォンターナ夫人は泊まって行くようにと言ってくださった。そして明日の準備もこちらで整えさせてくれると言う。


「夫人、突然申し訳ございません」

 深々と頭を下げることしかできない。


「良いのよ、気になさらないで。令嬢の舞踏会の準備ができるなんてウチのメイド達も喜ぶわよ。ふふっ。張り切るわね。もう準備に取り掛かっているみたいだから付き合ってあげて欲しいの。ルーナさんの侍女も疲れが溜まっているみたいだからゆっくり休ませてあげましょう」


 にこにこと微笑む夫人はエミリオに似ていて安心する感じ……公爵夫人にも関わらずエミリオと同じで話しやすい雰囲気を持っている方。

「何から何までありがとうございます。このお礼はきっと、」


「まぁ! お礼だなんて良いのよ。でもねルーナさんさえよければまたあのプリンを作ってくれないかしら? 気に入っちゃって、恋しくなっていたの。材料は使い放題よ」

 親子なのね。公爵家の用意してくれた材料は新鮮だった。バターも作っているようでバターがあるならもっと他のお菓子を作ってみたい。


「あのような物であればいつでもお作りいたします。お礼がプリンだなんて割に合わないのでは、」

 こんなに世話をしてくれたのにプリンって……

「そう? 何か他にもお菓子を作ってくださるの?」