……真っ赤に染まり困ったようなその表情は何とも言えず可愛くて、こちらが照れてしまいそうだ。


「いや、ハンカチは気にしないで下さい。それより落ち着いたのかな?」


「……はい。忘れてくださると嬉しいのですが」

 ルーナは忘れて欲しいと言ったがそのセリフは二回目か? 忘れる事は出来なさそうだ。


「いやぁ……無理ですね。ふふっ……いや笑ってごめん、君はすぐに忘れろと言うけれどせっかくの君との会話を忘れる事は出来ないよ。君といると飽きないね」

「笑うなんてひどいですよ! 迷惑ばかりお掛けしています」


「……それはないですよ。そうだ、今日の美味しいお菓子のお礼と君の経営学を聞かせてもらったお礼に、鉄道をご覧に入れようか? 気になっているんでしょう?」


「え、良いんですか? 見たいです」


「来週、時間を空けてもらおうかな?」


「はい。でも……両親に許可を得てからじゃないと」


「そこは私が説明しておくから安心して下さい」


 約束を取り付けることに成功した。ルーナのことを知りたいし、私のことも知って貰いたい。でも無理はしたくないしさせたくもない。


 ルーナの家族に説明するのは大変そうだ。ルーナに近づいてほしくはないだろうから。