鈴たち一行が北部のドラモンド侯爵家から、南部のケリー侯爵家まで旅をして。
ミュゼが殺害されてから3ヵ月の月日が経った頃。
王家から謁見の招待状が届いた。
ドラモンド侯爵によれば、侯爵が代わるたびに王家に挨拶するのが決まりなのだという。
鈴は、自分はまだ継いでもいないのに…と不思議に思ったが。
王家に文句を言うわけにもいかず。
ドラモンド侯爵と鈴、そしてホムラは中央部にある城を訪れていた。
本来であれば、ドラモンド侯爵と鈴の2人だけが謁見に望むはずなのだが。
王家側は、ホムラも是非と言ってきたので。
3人は謁見の間で、膝をつき、頭を下げている状態である。
謁見の間は、馬鹿広く。
王座まで、どれだけ離れているのだろうかと鈴は考える。
これでは、王族がやってきても。
自分の目からは、王族の顔が豆粒にしか見えないだろう。
幸いなことに、鈴は異常なくらい視力が良かった。
隣にいるドラモンド侯爵やホムラは見えるのだろうかと不安になる。
普段であれば、知らないところに来ればキョロキョロ見渡したくなる鈴であるが、
さすがに城内をきょろきょろするわけにはいかない。
5分ほど待たされただろうか。
しゃがみ込んで頭を下げている状態が辛かったので。
体感時間はもっと長く感じた。
自分の人生で、頭をこんなに下げることなんてないと言っていいかもしれない。
鈴は緊張しているが。
ドラモンド侯爵とホムラは無表情で普段と変わりない様子だ。
「殿下のおなーりー」
やがて、成人男性の大声と。
ラッパの音で、鈴はビクリと身体を震わせる。
「頭を上げよ」
殿下の声に鈴たちは頭を上げた。
ミュゼが殺害されてから3ヵ月の月日が経った頃。
王家から謁見の招待状が届いた。
ドラモンド侯爵によれば、侯爵が代わるたびに王家に挨拶するのが決まりなのだという。
鈴は、自分はまだ継いでもいないのに…と不思議に思ったが。
王家に文句を言うわけにもいかず。
ドラモンド侯爵と鈴、そしてホムラは中央部にある城を訪れていた。
本来であれば、ドラモンド侯爵と鈴の2人だけが謁見に望むはずなのだが。
王家側は、ホムラも是非と言ってきたので。
3人は謁見の間で、膝をつき、頭を下げている状態である。
謁見の間は、馬鹿広く。
王座まで、どれだけ離れているのだろうかと鈴は考える。
これでは、王族がやってきても。
自分の目からは、王族の顔が豆粒にしか見えないだろう。
幸いなことに、鈴は異常なくらい視力が良かった。
隣にいるドラモンド侯爵やホムラは見えるのだろうかと不安になる。
普段であれば、知らないところに来ればキョロキョロ見渡したくなる鈴であるが、
さすがに城内をきょろきょろするわけにはいかない。
5分ほど待たされただろうか。
しゃがみ込んで頭を下げている状態が辛かったので。
体感時間はもっと長く感じた。
自分の人生で、頭をこんなに下げることなんてないと言っていいかもしれない。
鈴は緊張しているが。
ドラモンド侯爵とホムラは無表情で普段と変わりない様子だ。
「殿下のおなーりー」
やがて、成人男性の大声と。
ラッパの音で、鈴はビクリと身体を震わせる。
「頭を上げよ」
殿下の声に鈴たちは頭を上げた。