天使くん、その羽は使えません (短)

「あらー天翔くん!わざわざ晴衣を迎えに行ってくれたの?」

「え?あ、はい」

「幼なじみってだけで、そこまでしてくれるなんて愛ねぇ〜♡」

「え?」
「は?」


晴衣のお母さんの言っている意味が分からない。え、幼なじみ?俺と晴衣が?

晴衣を見ると、晴衣も同じく不思議に思っているようだった。そんな中、お母さんは料理の入った鍋を晴衣に渡す。


「これ。お隣に持って行ってね。お裾分けです、って」

「隣?お裾分け?何言ってるの、お母さん。隣はずっと空き地で、」


するとお母さんの方も「晴衣こそ何言ってるの」と顔を顰めた。


「隣の家って、天翔くんの家でしょ?もう〜なに寝ぼけた事を言ってるのよ」

「え?」
「は?」

「じゃ、お願いね♡」

「……」
「……」


バタンッ


俺と晴衣は、隣の家へすぐにダッシュした。表札には「天野(あまの)」と書かれている。

天野?と疑問を覚えつつ、玄関の鍵を開ける。

すると……