天使くん、その羽は使えません (短)

「天翔くん、飛べなくて寂しい?」

「え?」

「そんな顔に見えたから……」


晴衣が上目遣いで俺を見る。確かに寂しさはある。だけど、それだけじゃない。


「飛べなくなったのは、少し寂しい。けど、羽があった頃より……

今の方が、俺は自由な気がするんだ」

「!」


晴衣は驚いた顔をした。だけど「そっか」と、俺の顔を見て満足そうに頷く。


「天使の時の天翔くんも好きだったけど、人間の天翔くんの方が、私はもっと好きだな」

「え?」

「天翔くんの顔を見れば、何を考えているか分かるんだよ?無表情じゃない天翔くん、とっても素敵だよ!」

「っ!」