「ラブオールプレイ!」 主審の声がコート中に響く。私は体の力を程よく抜き、ラケットを握る力を、少し強めた。 「よろしくお願いします!」 (天翔くん、待っててね。 絶対に勝ってみせるから!) と意気込んだ試合だけど……。運の悪いことに、この会場に来たのは初めてだった。 慣れない体育館。 コートを型どる、いつもより細いテープ。 シャトルとラケットの距離感を失う、天井の高さ―― 全てが初めてということは、 全てがいつもと違うということだ。