「その通り。魔法って言ったって、あるものを利用して考えられてる。からくりがあるって事なんだよ」

 なるほどね。マジックみたいなものだね。タネや仕掛けがあるってことだ。マジックも鮮やかにやるには修行がいるのと一緒かな?

 すると、外の方から話し声がする。
 リアムが窓から外を見て、驚いている。

 「大変だ、王太子様が来た。どうしてここに来たんだろう?リリアーナ、早く地下へ隠れて」

 私は急いで地下へ降りた。

 とりあえず、魔法具のある部屋の棚の後ろに隠れた。

 玄関のドアの鈴がなった。

 「王太子様いらっしゃいませ」

 リアムの声がする。

 「王太子様、こちらでおくつろぎ下さい。私が持って参ります」

 「いや、久しぶりに来たので少し見てみたい。ここは面白いものがたくさんあるしな」

 「いえ、危険物もたくさんございますので……」セシルが心配そうに話す。

 「わかっている」

 「そういえば、あの娘はどうしている?」

 「……お預かりしているリリアーナのことでしょうか」セシルが答えた。

 「ああ、そうだ。そういう名前だったな。名前も忘れた」

 何だとー!王太子って実は最低な奴だったんだね。こいつがヒーローのゲームなんて、知ってたらやらなかったよ。
 帰ったら、SNSに投稿してやる!

 「働いております。薬草の管理なども最近はさせておりますので、ようやく役に立って参りました」