なぜこんなに彼が慌てているのか解せないが、婚活婚活と連呼しないでほしい。
そして声のボリュームを下げてもらいたい。
「違う! 婚活じゃなくてっ。ここ尾形くんが受注もらってきた取引先でしょーが。見積見てどんな施設か確認したくて開いてただけ」
「あ、そうか。すまん。でも婚活って聞こえたから……」
我に返った尾形の声がトーンダウンし、未来はホッとする。
「違う違う。えーっと、コンカツじゃないくて……そう、とんかつ! 久しぶりにランチはがっつり松勝亭でとんかつでも食べようかと思っていたの」
「とんかつ? ……あぁ、なんだ、聞き間違いか。なんか、悪かったな」
苦し紛れの割に我ながらナイスな返しじゃないかと思う。その証拠に尾形も納得してくれたようで頭を掻きながら謝ってくれる。
「もう、尾形君ったら、お疲れで耳の調子悪いんじゃない? じゃあ、一緒に行く? ランチにはちょっと高いけど」
「えっ、ふたりで?」
声を弾ませた尾形の背後から桜衣がひょこりと姿を現す。
「いいわね~とんかつ。私もご一緒していいかしら?」
「あ、桜衣さん!もちろんです。行きましょう」
そして声のボリュームを下げてもらいたい。
「違う! 婚活じゃなくてっ。ここ尾形くんが受注もらってきた取引先でしょーが。見積見てどんな施設か確認したくて開いてただけ」
「あ、そうか。すまん。でも婚活って聞こえたから……」
我に返った尾形の声がトーンダウンし、未来はホッとする。
「違う違う。えーっと、コンカツじゃないくて……そう、とんかつ! 久しぶりにランチはがっつり松勝亭でとんかつでも食べようかと思っていたの」
「とんかつ? ……あぁ、なんだ、聞き間違いか。なんか、悪かったな」
苦し紛れの割に我ながらナイスな返しじゃないかと思う。その証拠に尾形も納得してくれたようで頭を掻きながら謝ってくれる。
「もう、尾形君ったら、お疲れで耳の調子悪いんじゃない? じゃあ、一緒に行く? ランチにはちょっと高いけど」
「えっ、ふたりで?」
声を弾ませた尾形の背後から桜衣がひょこりと姿を現す。
「いいわね~とんかつ。私もご一緒していいかしら?」
「あ、桜衣さん!もちろんです。行きましょう」



