目を覚ました和輝に声を掛けられるが、狸寝入りを続行する。
後ろから伸びた和輝の手が優しく未来の髪を撫でた。
その大きな掌を心地よく感じていると、手の動きが止まり、独り言のように呟く声が聞こえた。
「――すまなかった」
未来は心の中で息を呑んだ。
和輝はそのままそっとベッドを降り、布団を未来に掛けなおして離れていく。
シャワーを浴びにバスルームに向かったようだ。
遠くで水音がし始めたのを確認した未来はガバリと起き上がる。
(和くんは私に謝るようなことをしたと思ってるんだ)
全部自分が頼んだことだし、後悔もしていない。
でも彼は未来を抱くべきではなかったと悔やんでいるのかもしれない。
未来はシーツを身体に巻きつけつつベッドから這い出た。
ソファーに置いてあったバッグからスマホを取り出し時刻を見ると、まだ朝の6時前、しかし電車は動き始めているはずだ。
今から家に帰って仕度をすれば会社には間に合うだろう。
(……面と向かって謝られたら辛すぎる。もうここは逃げてしまおう)
後ろから伸びた和輝の手が優しく未来の髪を撫でた。
その大きな掌を心地よく感じていると、手の動きが止まり、独り言のように呟く声が聞こえた。
「――すまなかった」
未来は心の中で息を呑んだ。
和輝はそのままそっとベッドを降り、布団を未来に掛けなおして離れていく。
シャワーを浴びにバスルームに向かったようだ。
遠くで水音がし始めたのを確認した未来はガバリと起き上がる。
(和くんは私に謝るようなことをしたと思ってるんだ)
全部自分が頼んだことだし、後悔もしていない。
でも彼は未来を抱くべきではなかったと悔やんでいるのかもしれない。
未来はシーツを身体に巻きつけつつベッドから這い出た。
ソファーに置いてあったバッグからスマホを取り出し時刻を見ると、まだ朝の6時前、しかし電車は動き始めているはずだ。
今から家に帰って仕度をすれば会社には間に合うだろう。
(……面と向かって謝られたら辛すぎる。もうここは逃げてしまおう)



