ぼんやりと思考が浮上していく。
(あれは確か和くんのお母さんのお葬式の時……何か一生懸命に和くんに言った気がするけど何て言ったか覚えてなくて)
細かいことは思い出せないが、その後の事は鮮明に記憶に残っている。自分の言葉で和輝が泣いてしまったからだ。
元気になってほしいのに逆に和輝を泣かせてしまい、びっくりして未来まで泣いてしまったが、まわりの大人はだれも咎める事は無かった。
(今思えばお母さんが亡くなって悲しいのは当たり前なのに、笑ってほしいなんて子供とはいえ無神経にもほどがあるよね)
後にも先にも和輝が悲しみの感情を露わにしたのを見たのはあの時だけだ。
それだけに今でもこうしてたまに思い出す。
まどろみの中、夢に想いを馳せていると徐々に意識がはっきりしてくる。
裸の背中がシーツに直接触れている違和感に、自分がいつもの朝と違う状況に置かれていることに気付く。
(……こちらは夢ではございませんでしたね)
視線を傍らに移すとそれこそ現実離れした美貌の和輝の麗しき寝顔があった。
(あれは確か和くんのお母さんのお葬式の時……何か一生懸命に和くんに言った気がするけど何て言ったか覚えてなくて)
細かいことは思い出せないが、その後の事は鮮明に記憶に残っている。自分の言葉で和輝が泣いてしまったからだ。
元気になってほしいのに逆に和輝を泣かせてしまい、びっくりして未来まで泣いてしまったが、まわりの大人はだれも咎める事は無かった。
(今思えばお母さんが亡くなって悲しいのは当たり前なのに、笑ってほしいなんて子供とはいえ無神経にもほどがあるよね)
後にも先にも和輝が悲しみの感情を露わにしたのを見たのはあの時だけだ。
それだけに今でもこうしてたまに思い出す。
まどろみの中、夢に想いを馳せていると徐々に意識がはっきりしてくる。
裸の背中がシーツに直接触れている違和感に、自分がいつもの朝と違う状況に置かれていることに気付く。
(……こちらは夢ではございませんでしたね)
視線を傍らに移すとそれこそ現実離れした美貌の和輝の麗しき寝顔があった。



