未だ混乱している未来は言葉の意味が分からない。
しかし和輝は答えを求めているわけではないようだ。
和輝は身体をそっと離すと、未来の足元に落ちていた花束を拾い上げ、差し出しながら言った。
「俺が君に教えることはこれだけじゃない。わかってるだろう?」
人間、思いがけないことが起こった時、状況を把握できないまま流されることがある。
今、未来はまさにその渦中にあった。和輝に肩を抱かれ足を踏み入れたこの部屋は、バーのすぐ下の階にあるスイートルーム。
和輝はあのバーで宿泊の手配までスマートに済ませてしまった。
『いい部屋が空いていて良かったな』と彼が独り言のように言っていたのを聞いた気がする。
気付けば未来は間接照明がともるベッドルームでジャケットを脱いだ和輝に組み敷かれていた。
いつの間にか、ワンピースの背中のリボンは解かれ、未来の華奢な白い肩がむき出しにされ、ひんやりとしたシーツの感覚を直接感じ、未来は我に返る。
開いた襟ぐりに伸びてきた和輝の手首を未来は思わず掴んだ。
「ま、まって……今更だけど、和くん、こんなことして気まずくならない?」
しかし和輝は答えを求めているわけではないようだ。
和輝は身体をそっと離すと、未来の足元に落ちていた花束を拾い上げ、差し出しながら言った。
「俺が君に教えることはこれだけじゃない。わかってるだろう?」
人間、思いがけないことが起こった時、状況を把握できないまま流されることがある。
今、未来はまさにその渦中にあった。和輝に肩を抱かれ足を踏み入れたこの部屋は、バーのすぐ下の階にあるスイートルーム。
和輝はあのバーで宿泊の手配までスマートに済ませてしまった。
『いい部屋が空いていて良かったな』と彼が独り言のように言っていたのを聞いた気がする。
気付けば未来は間接照明がともるベッドルームでジャケットを脱いだ和輝に組み敷かれていた。
いつの間にか、ワンピースの背中のリボンは解かれ、未来の華奢な白い肩がむき出しにされ、ひんやりとしたシーツの感覚を直接感じ、未来は我に返る。
開いた襟ぐりに伸びてきた和輝の手首を未来は思わず掴んだ。
「ま、まって……今更だけど、和くん、こんなことして気まずくならない?」



