(冗談だろと笑って流されてももいいし、盛大に怒られてもいい。どんな反応でもちゃんと受け入れて、和くんとの最後の思い出にするんだ)
未来は、俯きながら和輝の言葉を待った。
「……へぇ、君は俺を練習台にして、他の男の所に行くつもりってことか」
「え?」
初めて聞くような苛立ちを含む声に、未来は驚いて顔を上げた。
和輝の表情をはっきり確認できないまま、未来の頬は彼の大きな両掌で固定される。
「じゃあ、望み通り教えてやるよ。忘れられないようなのを」
整いすぎた顔が躊躇なく近づく状況を処理しきれないうちに、和輝の唇が未来のそれと合わさる。
「……んっ!?」
未来は反射的に和輝から身体を引こうとしたが、そうはさせまいとばかりに彼は素早く片手を未来の後頭部に滑らせると、逆に自分の方に引き寄せ、顔の角度を変えつつさらに何度も唇を重ねてくる。
未来がビクンと震えた拍子に膝にのせていた花束が足元に滑り落ち、カサリと乾いた音をたてる。
しかしそれを気にする余裕などない。
「ちょ、か、かずく……っ、んあ……」
未来は、俯きながら和輝の言葉を待った。
「……へぇ、君は俺を練習台にして、他の男の所に行くつもりってことか」
「え?」
初めて聞くような苛立ちを含む声に、未来は驚いて顔を上げた。
和輝の表情をはっきり確認できないまま、未来の頬は彼の大きな両掌で固定される。
「じゃあ、望み通り教えてやるよ。忘れられないようなのを」
整いすぎた顔が躊躇なく近づく状況を処理しきれないうちに、和輝の唇が未来のそれと合わさる。
「……んっ!?」
未来は反射的に和輝から身体を引こうとしたが、そうはさせまいとばかりに彼は素早く片手を未来の後頭部に滑らせると、逆に自分の方に引き寄せ、顔の角度を変えつつさらに何度も唇を重ねてくる。
未来がビクンと震えた拍子に膝にのせていた花束が足元に滑り落ち、カサリと乾いた音をたてる。
しかしそれを気にする余裕などない。
「ちょ、か、かずく……っ、んあ……」



