和輝は口数の多い方では無いが、未来の話を聞き流すことは無くきちんと耳を傾けてくれるし、きちんと返事をくれる。
でも、未来が彼自身の思いや本音は聞いたことはほとんど無い気がする。
(お嫁さんになる人には、きっと何でも話すんだろうな。家族になるんだもんね)
未来は切ない思いを持て余しながら車窓を流れる景色を眺めた。
「未来、次の君の誕生日だが、都合は付きそうか?」
信号待ちで車が停車したタイミングで和輝に問われ、未来は一瞬返答に詰まる。
(私の誕生日までに和くんはお見合いをしているのかな)
未来の誕生日は5月21日だ。それまであと二か月ある。
さすがにすぐに結婚はないだろうが、縁談相手が決まり実際会っている可能性がある。
そんな状況で自分とふたりきりで会ってもいいのだろうか。
(でも、和くんにとって私はそんなことすら気にしなくていい存在なのかも。そう思うとなかなか切ないなぁ)
返事のないのをおかしいと思ったのか、和輝はフロントガラスから未来に視線を移した。
「未来?」
「私は大丈夫だよ。毎年ありがとう」
返事を聞いた和輝はふっと表情を緩めたように見えた。
でも、未来が彼自身の思いや本音は聞いたことはほとんど無い気がする。
(お嫁さんになる人には、きっと何でも話すんだろうな。家族になるんだもんね)
未来は切ない思いを持て余しながら車窓を流れる景色を眺めた。
「未来、次の君の誕生日だが、都合は付きそうか?」
信号待ちで車が停車したタイミングで和輝に問われ、未来は一瞬返答に詰まる。
(私の誕生日までに和くんはお見合いをしているのかな)
未来の誕生日は5月21日だ。それまであと二か月ある。
さすがにすぐに結婚はないだろうが、縁談相手が決まり実際会っている可能性がある。
そんな状況で自分とふたりきりで会ってもいいのだろうか。
(でも、和くんにとって私はそんなことすら気にしなくていい存在なのかも。そう思うとなかなか切ないなぁ)
返事のないのをおかしいと思ったのか、和輝はフロントガラスから未来に視線を移した。
「未来?」
「私は大丈夫だよ。毎年ありがとう」
返事を聞いた和輝はふっと表情を緩めたように見えた。



