「もう君を妹だなんて思っていない。もう一度、いや、何度でも言う。俺は未来を愛してる」
ただ自分の想いを伝えようとする和輝の真摯な声。表情も落ち着いていて、いっそ凪いでいるように思えたが、その澄んだ黒い瞳の奥に湛えているのは切ないほどに愛する人を求める熱情だった。
その熱に気づいた途端、未来の胸の高鳴りは抑えられなくなっていた。
(私の方こそ、ずっと隣に並びたいなんて思ってたくせに、本当の意味で和くんを男の人として見れていなかった。無意識に自分を守りたかったのかもしれない)
なぜなら“妹”の立場を守れば、深く傷つかないですむから。
ここまでしてもらわないと彼の想いに気づけなかったなんて、なんて自分は臆病でずるいんだろうと思う。
私も愛してる。大好き。世界で一番好き。お兄さんなんて思ってない。
想いを伝えたいのに、一度に溢れてすぎて言葉にならない。
「未来?」
瞳を潤ませて黙った未来に和輝の掌の力が気づかわし気に緩む。
その瞬間、未来は身を乗り出し夢中で和輝の胸に飛び込んで背中に手を回す。
「私の長年の片思い……和くんなの」
ただ自分の想いを伝えようとする和輝の真摯な声。表情も落ち着いていて、いっそ凪いでいるように思えたが、その澄んだ黒い瞳の奥に湛えているのは切ないほどに愛する人を求める熱情だった。
その熱に気づいた途端、未来の胸の高鳴りは抑えられなくなっていた。
(私の方こそ、ずっと隣に並びたいなんて思ってたくせに、本当の意味で和くんを男の人として見れていなかった。無意識に自分を守りたかったのかもしれない)
なぜなら“妹”の立場を守れば、深く傷つかないですむから。
ここまでしてもらわないと彼の想いに気づけなかったなんて、なんて自分は臆病でずるいんだろうと思う。
私も愛してる。大好き。世界で一番好き。お兄さんなんて思ってない。
想いを伝えたいのに、一度に溢れてすぎて言葉にならない。
「未来?」
瞳を潤ませて黙った未来に和輝の掌の力が気づかわし気に緩む。
その瞬間、未来は身を乗り出し夢中で和輝の胸に飛び込んで背中に手を回す。
「私の長年の片思い……和くんなの」



