邪魔にならないようにホーム中央に移動し大きな柱を背に宿泊先を検索し始めた時、スマートフォンが着信で震えた。ギクリとしたが、画面に表示された名前は和輝ではなかった。
「ユキちゃん?」
『みっくぅ~元気にしてた? やっと仕事落ち着いたからさ、あんたの惚気話でも聞こうと思ったんだけど……もしかして駅にいる? 電話したらダメだったかしら』
聞こえるのは親友の明るい声。ホームの喧騒が聞こえているらしい。
「ううん、大丈夫だよ。電話くれてうれしい」
『ん? 未来、何かあった? 声が沈んで聞こえるんだけど』
あっという間に未来に元気がないことに気付いた親友の気づかわし気な声に、ついひとりで堪えていたものがあふれ出す。
「……家、出てきたんだ」
『え、どういうこと?』
「ユキちゃん……和くん結婚するって……だから私、ちゃんと明るくあの家を出ていこうと思ってたんだけど……っ」
弱音が混じった瞬間、涙で声が詰まる。
電話の向こうで『ちょっとやだ、どうしちゃったの』と慌てているのがわかった。
『未来、今どこの駅にいるの』
「……新宿」
「ユキちゃん?」
『みっくぅ~元気にしてた? やっと仕事落ち着いたからさ、あんたの惚気話でも聞こうと思ったんだけど……もしかして駅にいる? 電話したらダメだったかしら』
聞こえるのは親友の明るい声。ホームの喧騒が聞こえているらしい。
「ううん、大丈夫だよ。電話くれてうれしい」
『ん? 未来、何かあった? 声が沈んで聞こえるんだけど』
あっという間に未来に元気がないことに気付いた親友の気づかわし気な声に、ついひとりで堪えていたものがあふれ出す。
「……家、出てきたんだ」
『え、どういうこと?』
「ユキちゃん……和くん結婚するって……だから私、ちゃんと明るくあの家を出ていこうと思ってたんだけど……っ」
弱音が混じった瞬間、涙で声が詰まる。
電話の向こうで『ちょっとやだ、どうしちゃったの』と慌てているのがわかった。
『未来、今どこの駅にいるの』
「……新宿」



