とてつもなく不器用な父は、妻を失った悲しみの中で娘への向き合い方を少し間違ってしまったのだ。
心の中で父に対するわだかまりが緩く解かれていくのを未来は感じていた。
「私、お父さんが再婚するって聞いたときに、本当は心から喜べてなかったの。ごめんなさい」
「当然だ。彼女も未来の気持を無視して結婚する必要はないと言ってくれている」
「ううん、お父さんの本音聞けたからもう十分。それに25歳の娘に気を使われても返って困っちゃうよ」
泣いているのをごまかすように未来はわざとおどける。
「私、立派に育ったでしょ。でもお父さんのおかげでもあるの。お父さんのおかげでお金に困らず大学まで行けたんだよ。ありがとう。それにお母さんはずっと言ってたよ『お父さんは亡くなった和輝君のお母さんのように病気で苦しむ人を救う薬を作るために頑張ってくれてるのよ』って」
「……たしかに、本当に立派にそだってくれたな」
父の目じりにも涙が光っている「個室で良かったね」と未来はハンカチで涙を拭いた。
少し気恥ずかしい雰囲気から気を取り直して食事を進めていると、父は思いがけないことを口に出した。
心の中で父に対するわだかまりが緩く解かれていくのを未来は感じていた。
「私、お父さんが再婚するって聞いたときに、本当は心から喜べてなかったの。ごめんなさい」
「当然だ。彼女も未来の気持を無視して結婚する必要はないと言ってくれている」
「ううん、お父さんの本音聞けたからもう十分。それに25歳の娘に気を使われても返って困っちゃうよ」
泣いているのをごまかすように未来はわざとおどける。
「私、立派に育ったでしょ。でもお父さんのおかげでもあるの。お父さんのおかげでお金に困らず大学まで行けたんだよ。ありがとう。それにお母さんはずっと言ってたよ『お父さんは亡くなった和輝君のお母さんのように病気で苦しむ人を救う薬を作るために頑張ってくれてるのよ』って」
「……たしかに、本当に立派にそだってくれたな」
父の目じりにも涙が光っている「個室で良かったね」と未来はハンカチで涙を拭いた。
少し気恥ずかしい雰囲気から気を取り直して食事を進めていると、父は思いがけないことを口に出した。



