想いをはっきり自覚したのは15歳。以来、彼が独身でいるのをいいことに片思いを続けている。
(もうすぐ歴10年って、我ながらしつこすぎない? でも諦められないのは和くんがいつまでもカッコイイのがいけないんだと思う。結婚でもしてくれれば、さすがに踏ん切りがつくかもしれないけど)
自分勝手な方向に想いを巡らせている未来に美津子は「そういえば」と表情を明るくし衝撃の発言を落とした。
「和輝、やっと結婚する気になったらしいのよ」
「え……結婚っ?」
思わず声が上ずった。
「あの子ったら今まで持ち込まれた縁談も『忙しいし興味も無い』って頑なに断って誰とも会おうともしなかったでしょ? 私も、本人の自由だと思ってこれまでは放っておいたけど、さすがに今年33歳にもなるし、心配になってね。先週帰ってきた時、このまま結婚しないつもりなのかって詰め寄ったら『結婚はするつもりだ』って!」
「そう、なんだ。するつもりなんだ」
「最近従兄弟や、大学の後輩が立て続けに結婚を決めているから影響受けてくれたのかしらねぇ」
嬉しそうな美津子に未来は引きつった笑顔で応える。
(もうすぐ歴10年って、我ながらしつこすぎない? でも諦められないのは和くんがいつまでもカッコイイのがいけないんだと思う。結婚でもしてくれれば、さすがに踏ん切りがつくかもしれないけど)
自分勝手な方向に想いを巡らせている未来に美津子は「そういえば」と表情を明るくし衝撃の発言を落とした。
「和輝、やっと結婚する気になったらしいのよ」
「え……結婚っ?」
思わず声が上ずった。
「あの子ったら今まで持ち込まれた縁談も『忙しいし興味も無い』って頑なに断って誰とも会おうともしなかったでしょ? 私も、本人の自由だと思ってこれまでは放っておいたけど、さすがに今年33歳にもなるし、心配になってね。先週帰ってきた時、このまま結婚しないつもりなのかって詰め寄ったら『結婚はするつもりだ』って!」
「そう、なんだ。するつもりなんだ」
「最近従兄弟や、大学の後輩が立て続けに結婚を決めているから影響受けてくれたのかしらねぇ」
嬉しそうな美津子に未来は引きつった笑顔で応える。



