別れを決めたので、最後に愛をください~60日間のかりそめ婚で御曹司の独占欲が溢れ出す~

「またその話か。まだ一緒に暮らし始めて2週間しかたっていない。今から出ていくことを考える必要はないだろう?」

「だって、あと1ヶ月半しかないし、あっというまに経っちゃうでしょ」

 事実、この2週間は和輝との生活に慣れることに追われているうちに過ぎてしまった。
 しかし自分の住む家くらい自分で見つけなければとずっと思っているし、彼にも主張し続けている。

「仮に君が出ていくことになったとしても引っ越し先は俺が手配するっていっただろう。焦ることはない……そうか」

 和輝は何かに気が付いたような顔になる。

「急に環境が変わって君も疲れているんじゃないか。気分転換が必要だな。週末はふたりでどこかに遊びにいくか」

「ううん、疲れてないよ。むしろ通勤も楽になって体は楽だし」

 未来は首を横に振る。

 このマンションは駅から近いし、電車で東京駅まで10分かからない。満員電車に乗る時間が大幅に減ったことでかなり負担が減った。さらにINOSEの入るビルは東京駅から歩いて10分ほどの好立地である。

「俺の車で一緒に通勤すればもっと楽になると言っているのに」