【芹奈side】

「まったく……、なんで最終日までとっとくかなぁー」

今日は夏休み最終日。

明日から学校なんだけど……

「しょうがないじゃん」

「しょうがなくない。ほら、早くここの問題」

夏休みの宿題を全くやっていなかった私は
朝からひたすら宿題に向き合っていた。

「はぁー、せっかくテレビ見ようと思ったのに」

「この量、もっと危機感持てよ!明日だぞ!?」

「分かってるよーもうー!」

国語…数学…理科…社会……

「あーーもう!疲れたーーー桃季やってよ」

「まだやり始めて5分しかたってねぇぞ!?」

「てかさ、桃季はやらないの?っていうか桃季って……、どこの高校通ってるの?」

それは今の今まで気にもしていなかった疑問だった。

夏休みに入る時に一緒に暮らし始めた桃季。

もう1ヶ月ぐらい一緒にいるけど桃季の事を私はあまり知らないでいた。

でも桃季だって高校生だし夏休みの宿題くらいあるはず…。なのにやってるとこ1回も見た事がない。

さっきからずぅっと私に付きっきりだけど自分はいいのかな。なんて思ってたら……

聖鳳凰(せいほうおう)男子校」

ため息混じりに返ってきた言葉に私は目を見開いた。