急に首にかかっていた力が無くなり
私の体が地面に叩き落とされた。

無くなりかけていた意識が戻ってきて
倒れ込むように地面に手をついた私は
必死に肩で息をした。

「ケホッ……ッ、ケホッ……………、ハァッ……ハァ…ッ、」

頭がクラクラしてて、
息を吸うのに精一杯だった。

「……その子に触るな」

やがてすぐ近くから怒りが混じったような
低い声が聞こえてきて、

「なんだテメェ!!」

間髪入れずに、まるで逆鱗に
触れたかのような男達の声も
おぞましく鼓膜を突き刺した。

間違いなく男達の標的が私ではなく
今やって来た‪”誰か‪”‬に向いた。

「グハッ……」

咳をしながら恐る恐る顔を上げると
男が綺麗に投げ飛ばされている光景が
目に飛び込んでくる。

暗くてよく見えないけど多分‪”‬誰か‪”‬が
私の首を絞めていた男を殴っていた。

殴る、とか、殴られる、とか
ちょっと怖くてすぐに目を逸らしたけど

男2人はあっという間に
白目を向いて地面に転がっていた。

気絶しているみたいだ。

「ハァッ…、ハァ…、、ケホッ……」

まだ私の息は荒くて…。

首に手を当てて、
とにかく肺に空気を送り込んでいた。