「桃季のばかーっ!!!」

「あっ、お前っ……!!」

すっかり生意気になった​───────。

「あっ、芹奈!俺のパンツまた隠したな!?」

「リビングのどっかにあるよ!」

「お前っ…、ふざけんなよ!」

最近では泣かない所か悪さをする始末だ。

どうやら俺は完全に舐められているようだ。

まぁでも……、
泣かれるよりはこの方が全然マシだが。

夏休みが始まる頃に出会い、
ほぼ初対面同然の状態で
一緒に暮らし始めた俺達。

この家での生活にもすっかり慣れてきていた。


***

「桃季ーっ!このお菓子買ってー!」

今日は芹奈とスーパーに買い物に来ていた。

「はいはい、いいよ」

また持ってきた…。と思いながらも
そう返すと芹奈は満面の笑みでネックレスがランダムで入っている箱菓子を買い物カゴに放り込んだ。

スーパーには何度か一緒に行っているが、
店内で芹奈が俺から離れるのはこのお菓子を取りに行く時だけだ。

このお菓子さえカゴに入れれば芹奈的には
ミッションクリア、なのだろう。

後は、買い物カゴが乗ったカートを押す俺の後ろを「ねぇーまだー?」と、ほっぺをぷくぷくしながらちょこちょこ着いてくる。