***

……

意識を手放した直後。

放り出されるみたいに私は真っ白な所にいた。

知らない場所……。

「あっ…」

そうだ私……お腹…撃たれて……

死んじゃった……?

「……」

シーン、としてる。

誰もいない……。ひとりぼっち。

こんなの絶対……

…………絶対死んじゃったじゃん。


ペタン、と地面にしゃがんで1人俯いた。

ポタポタ涙が零れ落ちてきて「うぅー……」と声を漏らす。

つい……本音もポロリ、と落ちてしまう。

「っ…あああぁ……っ、ぅうわぁああああん…っ、、、……、ももきと……っ、けっこんしたかったぁあああー……っ、、、したかったよぉーーー……っ、、えぇーーーん……っ、えぇーぇぇん…こんなに……っ、好きなのにぃーーー……えぇーーん…」

前に…街で見掛けたウェディングドレス…

綺麗だったな。

あの時。
私も、いつか着てみたいな…とか、思っちゃった。

……死んじゃったら、そりゃあ…………

…………………………着れないのにね。

「えぇーーん…っ、えぇ​───────…」









「もー……そんな泣いたら可愛いお顔がぶちゃいくになっちゃうぞー?」









「ぐすん……っ、え……っ?」


それは……久しぶりに聞く声で。

顔を上げたらそこには……













お兄ちゃんがいた​───────。