荒い呼吸の隙間で、何とか絞り出したような
その言葉を聞いた時、
海里さんは死を覚悟しているんだと…

思った。

だってそんなのまるで……
自分はもう、
芹奈ちゃんのそばにいられない。
と言っているようなものだ。

芹奈ちゃんは
海里さんの年の離れた妹さんで
「芹奈、ほんとかわいいんだよ」と
何度も何度も聞かされた。

正直またそれかよ。としつこかった。

きっと海里さんの口癖だ。

けど海里さんが自分の命より大事にしてる人なんだ、って事を俺はよく知っていた。

「だめです!海里さん……っ、
そんな事言わないで下さい!!!」

芹奈ちゃんのそばにいるのは俺じゃない。

……海里さんだ。

「俺は……もう、無理そうだからさ…ケホッ……」

海里さんの服が引きちぎれそうなぐらい伸びる。俺が引っ張っているからだ。

「やめくださ……っ、かいりさっ……、、」

とうとう嗚咽が混じる。
胸の奥がヒリヒリ痛くて、言葉が上手く出なかった。

「やめ……ぅ、うぅ……かいりさ……っ、、」