「ちょっと、桃季さん、おじさんってなんすか。僕、まだ結構ピチピチの14歳っすよ。
てか桃季さんの2つ下なんですから、
僕がおじさんなら桃季さんは立派なおじいさんですよ」
「あれ、嵐まだ14だっけ?」
「そうですね」
「しっかりしてるから年齢忘れてたわ」
「しっかり、って……もぅ!桃季さんたら!」
14たす……2……。
あ…。桃季……16歳なんだ。私と一緒……。
目の前で繰り広げられる会話を
ジー、と眺めていると、やがて
金髪の人が私に向き直った。
「僕、新山嵐です」
そして少しくせ毛の金髪を揺らしながら優しく笑った。
「…………あらし」
「わぁー!名前!呼んでくれましたよ!桃季さん!」
「よかったな」
「桃季さんはもう名前呼ばれました!?」…
2人がキャピキャピしながら話しているのを
聞いていると、ちょっとだけ楽しい気持ちになった。
だけど、いっぱい泣いちゃったからか
目がしばしばしてきたので私は目をつぶって、コテン、と机に突っ伏した。


