「もも……も……も…」

結構ぐっすりだし、抜いちゃってもいいか。

ーースポ…

あ、抜けた。

よし。このまま起こさないように部屋を出よう。

お粥でも作ってやるか……。

と、ドアに手をかけたその時だった。

いつの間にかぱっちり目を開けた芹奈が
俺を見て声を上げた。

「はっ!」

「……」

げ……。なんかこの世の終わりみたいな目でこっち見てる……。

そして万引き犯でも目撃したかのよう
ビシッ!っと真っ直ぐに俺を指さした。

「どっか行こうとしてる!!?」

「……」

やべぇ……。なんかムスッとしてる……。

「ちょっと…お粥作ろうとしてただけだよ」

怒るかなぁ……。
なんて思ってたら案の定だ。

「だぁぁああああああああああ!!!
やだああああああああああああ!!!」

「あぁ!分かった分かった!ここいるから!な!?」


***

「へへっ……っ、てへへ……っ」

ベッド横にしゃがんだら満足したのか、
今芹奈はかなりご機嫌の様子でベッドに入っていた。

すっげぇニコニコしてこっち見てる……。