願わくは愛する人へ

今日も暇潰しのために屋上へと続く階段を足音を響かせて登った。

鍵を開けようとするといつもは閉まっている鍵が開いていた。

不思議に思い、ゆっくり扉を開けた先には知らない男子生徒がフェンスの外に立っていた。

嫌な予感がした私は走り、駆け寄って

ーダメだよ、まだ...

そう声をかけると、彼は振り向いた。
その瞬間、花吹雪が舞った。
花たちに包まれた彼は綺麗だった。
何も無い素朴な空が彼によって一瞬で美しい空と変わった。

ー何が…ダメなの?

そう聞かれ、我に戻り、

ーえ…あ、命を落とそうとしてたから…

彼はクスッと笑い、そして大声をあげて笑った。普通ならバカにされたと感じ、イラついてしまうのだが、その時だけは何もかも許せた。苛立ちもなく、笑ってる姿だけでも美しく、綺麗だった。

ーあぁ、、ごめんごめん。変わった表現したから、、、

ーいえいえ…自分でも自覚あります…笑
でも、どうして、、そこに、、?

ーあぁ、なんか、特別なことをしたくなってきちゃって…笑

ー特別な…こと?

ーうん、普通ならここ来ちゃダメじゃん?

ーあぁ、そういうことですか、、

何それ、小学生みたい笑

ーそうそう!笑 ところで、、君も?

ーえ?あ、私はちゃんと許可もらってます

ーえ、なになに?許可とかもらえるの?

ーあ、普通はもらえませんよ?私はちょっと色々あって…

ーなるほどね〜だから、鍵を持ってるのか

ーえ?

ー今、握ってるじゃん笑

ーそうですね笑 だけど、ここにどうやって入ったんですか?頑丈に閉まってたはず…

ーえーっと、、力ずくで?笑

ー力ずく??随分、力あるんですね…笑

などと気軽に話せてるが、普通なら私はそんなには話せない。だけど、彼だけは特別な気がしたから。

ー君…名前、なんて言うの??

ーえ?あぁ、蘭奈です。佐々木蘭奈。

ー蘭奈ちゃんか!!

え…いきなり、ちゃん付け?正直、驚いた。久しぶりに年齢の近い人と話したせいか人との距離が分からない。普通なのかな…?

ーあなたは?

ー隼人。望月隼人!!

ーはや、と…くん?

ーそう!!

こちらからも、くん付けしてやった。
それでもあっちは気にしない。慣れてんのかな?こういうの。

ーそろそろ、俺行かなきゃ!

ーあ、うん。じゃあ、また…

ーうん!またね

彼は何なのだろう。特別な感じがした。
顔がイケてるから?

ー私って面食いだったっけ?笑

…え?待って、どうゆうこと、?

周りを見わたすと、さっきまで美しく感じられた空がまた素朴な青空へと変わっていた。

ーいったい、なんなの?これ…

よく分からない。こんなこと1度もなかったはず。見えてる世界が違う。鳥肌が立った。それほど怖かった。