「はっ、そういえば! 百葉先輩って甘いもの好きですかぁ?」

「好き……かな」


「じゃあ、よかったらこれどうぞ! スイーツビュッフェのチケットです!」


かなり有名なホテルの名前が書いてある。

たしかここって、予約を取りたくてもなかなか取れないって噂で聞いたような。


「せっかく予約が取れたんですけど、友達と全然予定が合わなくて期限が近づいてきちゃったんで! 普段お世話になってる百葉先輩にあげます!」


「え、えぇ、そんな。せっかく花森さんが楽しみにしてたのに……」


「行けなくてチケット無駄になるのもったいないじゃないですかっ! 2枚あるので、よかったら誰か誘ってください~!」


だ、誰かと言われても。

塔子ちゃん甘いもの苦手だし。


わたし友達が少ないから、塔子ちゃん以外一緒に行ける子がいない――。