大河原さんが急に足を止めた
通りがかりの居酒屋から
千鳥足の女の人が出てきた
ん?
見たことある人
あ…
大河原さんの前の彼女
酔ってる
大丈夫?
「なにやってんの?」
大河原さんが声を掛けた
「あ!タイちゃん!
ひさひぶりー…けんきたった?」
口がよく回ってない
大丈夫かな?
大河原さん
介抱してあげてください
そぉ思ったけど言えなかった
大河原さんが行っちゃいそうで
繋がれた手を強く握ってしまった
大河原さんの気持ちが
戻ってしまいそうで不安だった
「ひとりで帰れんの?
タクシー呼ぶ?」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ…
むかえよんだんだ…
もぉくるとおもーう
アレー?
タイちゃんのうしろに
だれかいる…」
「あ、こんばんは」
大河原さんの後ろから挨拶した
「はじめましてー…
じゃ…ないよね…?
あれー、だれだっけー…?
あー…!ねこちゃん…ラーメン屋の…」
乱れてても綺麗な人
ヒールの足元がフラフラしてた
「よっぱらい
からむな!」
大河原さんが私を後ろに隠した
「ん?手…つないでる…
へー…ふたりは、つきあってるんだ
タイちゃん、もぉかのじょできたんだ」
大河原さん
私の手を離さなかった
「あ、きたきた…」
私達のすぐ横に車が横付けされた
迎えの人かな?
アレ?この車
車から出てきたのは
店長だった
「アレ!?
みんな揃ってどーした?
清水ちゃんもいるじゃん!」
「タイちゃんもぉかのじょできたんだって…」
「え!?なに?
タイガと清水ちゃん、付き合ってんの?」
「はい」
大河原さんが答えた
よかった
付き合ってる
「え!?えー???」
店長が困惑してる
「付き合ってるんで
今度一緒の休みください」
「え、マジなの?タイガ
遊びだったら許さねーけど」
遊び…
なのかな?
「店長には関係ねーだろ」
ちゃんと答えないんだ
え、遊びなの?
「私、ふたまたかけられてたかな…
ま、もぉわかれたから…いいけどね
アハハハハ…わかいって、いいね…」
二股?
「遅いし
タイガと清水ちゃんも乗ってく?
家まで送るよ」
「オレはいい」
「じゃ、清水ちゃんだけでも…」
「私もいいです!
大河原さんと一緒に帰ります」
「じゃあタイガ、ちゃんと送れよ」
「言われなくてもちゃんと送ります」
「タイちゃん、しあわせにねー」
「言われなくても幸せだわ
自分の幸せ考えろ!」



