バイトの帰り道
家の近くの曲がり角
見覚えのあるバイクが停めてあった
「大河原さん…」
バイクの横にしゃがんでた
「おー…おつかれ…」
大河原さんが私の声で立ち上がった
「おつかれさまです」
ドキドキしてちゃんと見れなかった
月の光で大河原さんの影が私にかかる
この前のことを思い出す
「どーしたんですか?
こんなところで…
誰か、待ってるんですか?」
「こんなところで…オマエしかいないだろ」
まさか…
逆恨みとか?
「何か、用ですか?」
「この前は、ごめん…」
「何がですか?
私、なにも怒ってませんよ」
なんだか恥ずかしくて
素っ気なくしてしまう
「嫌われた?オレ」
「嫌ってませんよ」
「じゃあ、ちゃんとこっち見ろ」
大河原さんがかがんで
私の視界に入ってきた
ドキン…
「な…なんですか?」
「もぉバイトじゃ一生会えなそうだし
LINEじゃなんかヤダったし
会いに来た」
会いに?
私に?
「一生会えなくても
大河原さん別に困らないでしょ」
私は会いたいと思ってしまいました
「オマエは困らないかもだけど…
…
1週間会えなくて
2週間会えなくて
オマエに会いたくなったから、来た」
ドキン…
ホントですか?
大河原さんは
なんで私に会いたいんですか?
「またチビって
バカにしに来たんですか?
猫みたいって、からかいに来たんですか?」
ネガティブに考えてしまう
「オマエのことバカになんかしてないし
からかってもない」
どーしよ…
ずっとドキドキが止まらない
「私も大河原さんに言うことありました」
「なに?」
私も大河原さんに会いたかったです
大河原さんが好きです
そう言えたらな…
そう言ったら大河原さんは…
考えたら怖い
「この前の小テストバッチリでした
ありがとうございました」
「うん…」
バックルームでの光景が蘇って
もっとドキドキした
アレはからかわれただけ
やっぱり私は大河原さんに遊ばれてる?
店長に怒られて
私の様子を見に来たのかな?
なんだ
きっとそうだ
「あ、あの…
私からはそれだけです
お礼言えてよかった
じゃあ…」
「もぉ会えない?」
「たぶん…
こどかで偶然見かけたら声掛けてくさだい」
何かの偶然で会うことはあっても
会う約束をして会うことはない
「偶然じゃなくて…また会いたい」
「私に、ですか?」
「うん…
会いたくない?」
何か裏があるのかな?って思ってしまう
「私、遊ばれてますか?
マッキーさんが言ってた
遊びってヤツですか?」
「遊びじゃない
本気だよ
…
オレ、オマエのことが
好きだ
…
ちっちゃくて猫みたいで
人懐っこくて、かわいいと思ってた」
好き?↑↑↑♡♡♡
猫?↓↓↓???
「私は、猫じゃありません!
一応、女の子ですよ
大河原さん、ちょっと意識が足りないです
猫とか男友達みたいに扱わないでください」
最近距離が近かったのも
戯れてくるのも
私を猫か男友達とでも思ってた?
好きって
そんな軽く言われても…
「うん、オマエは猫じゃないし…
最近、スゲー意識してた
…
もぉ会えないとか…スゲー辛い」



