甘さはひかえめで。







「…あ、シャー芯切れちゃった。
ねぇ、燿」

「あ?」

「シャー芯貸してくれない?」

「やだ」


午後の授業は先生がいなくて自習だけど

相変わらず意地悪健在な燿。


……と思ったのだが。


「嘘。
はい」

「……ありがと」


素直にケースごと貸してくれて、1本だけ拝借した。


「3本くらい持ってけば?」

「いいよ、そんなにいらないし…」


次に切れたらさすがに自分で買う。


「……かわいいよな、乃々のシャーペン」

「え?どしたの急に」

「前からかわいいなと思ってた」


……どうしたんだろ。

なんか、今日の燿、変…。

褒めてくれるし、ちょっと優しいような…?