少なくとも、小百合に時間の変更を伝えなければ無事なはず。夕方六時前ならまだ明るいし人通りも多い。
 でも、それだけでは心配だ。

 小百合を欠席させるのも手だが、目的の遂行のため改めて別の日に襲う可能がある。

「となると……」
 一番確実なのは、男たちと会って、直接中止だと告げること。
 依頼金の返却を求めなければ、引き下がるはず。
 逆に脅される可能性もあるが。

(危険だけど、それしかない)


 準備を整えて、小百合に会いに行った。

 運良く小百合は在宅しているようで、客間に通されホッとひと息つく。

 成功するのだろうか。

 これまでのところ、気をつけたのに結果は原作と大差ない。
 小百合のお茶会ではフォローしたつもりだったのに、そううまくはいかなかった。

『麗華さんもよくやるわよね。このお菓子って小百合さんへのあてつけでしょ』

『ドレスも麗華さんが贈ったそうだけど、小百合さんの素敵なリメイクを楽しみにしていたのに残念だわ』

『ほんとよね。なんでも買えばいいってもんじゃないのに』