彼がそう言うのは当然だ。あのとき麗華は、まさか流星に見られているとも知らず小百合をバカにしていた。
『あなた、また同じドレスなのね』
小百合は同系色の布で作った小花をあしらったリメイクのドレスを着ていた。
嘲笑う麗華に、小百合は力なく微笑んだ。
『麗華さんはいつも違うドレスを着ていて羨ましいです』
嫌味ではなく素直な気持ちのまま言ったのである。
なのに、麗華は激怒した。小百合のリメイクがあまりに素敵で、新品を着るしか能のない自分が悔しかったのだ。『ばかにしてるの!』と言って肩を押した。
思い出すと同時に胸がズキズキと痛んだ。
どう考えても悪いのは麗華だ。
でも、今の自分にはわかる。麗華は悲しかったのだ。
婚約者は自分なのに、相手にしてもらえない不安。嫌でも縁談を受け入れたからには、婚約者として優しくして欲しかった。
愛情をちゃんと感じられたら穏やかでいられたのに、彼はいつだって小百合を庇う。
せめて叱ってほしかったのに、流星は麗華に関心すらない……。
『あなた、また同じドレスなのね』
小百合は同系色の布で作った小花をあしらったリメイクのドレスを着ていた。
嘲笑う麗華に、小百合は力なく微笑んだ。
『麗華さんはいつも違うドレスを着ていて羨ましいです』
嫌味ではなく素直な気持ちのまま言ったのである。
なのに、麗華は激怒した。小百合のリメイクがあまりに素敵で、新品を着るしか能のない自分が悔しかったのだ。『ばかにしてるの!』と言って肩を押した。
思い出すと同時に胸がズキズキと痛んだ。
どう考えても悪いのは麗華だ。
でも、今の自分にはわかる。麗華は悲しかったのだ。
婚約者は自分なのに、相手にしてもらえない不安。嫌でも縁談を受け入れたからには、婚約者として優しくして欲しかった。
愛情をちゃんと感じられたら穏やかでいられたのに、彼はいつだって小百合を庇う。
せめて叱ってほしかったのに、流星は麗華に関心すらない……。



