戸松先輩の、お気に入り



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廊下ってことも忘れて、ギャン泣きした私を、先輩は屋上に連れて来てくれた。



久しぶりに来る放課後の屋上は、
相変わらず人がいなくてとても静か。



「ん。落ち着いた?」



そんな事を言いながら、
私に、オレンジジュースを差し出す先輩。



「............あ、りがとう、ございます、」



先輩と久しぶりに話したひと言目。



すっごく、カタコトになってしまった。



「..................で?なんで避けてたわけ?」



いきなり核心に迫るような質問。



私に視線をちゃんと合わせてるし。



今日の先輩は、凄くストレートだっ。



でも、答えるわけにはいかない...............