「あのね、前に言ってくれたことと同じことを言いに来たなら気持ちは変わってないから。帰ってくれないかな、ここは目立つし。ね?」
出来るだけオブラートに包んでニコッと愛想よく笑う。「だけど俺の気持ちも変わってないから」へぇー
だから何なんだろう。私が相手にするとでも思ってるのかなぁ
「そっか、じゃあね。ありがとう」何か言おうとしているストーカーを放っておいて自分の席に戻った。野次馬たちもヒソヒソ話しながら自分の席に帰っていった。
「バッサリ行きますねー相手はあのサッカー部エース中山 悠斗《なかやま ゆうと》なのに」笑いが堪えられないみたいな表情で由宇が言ってきた。「何の話?」バッサリ?
「無自覚なのも面白いな」くすくす笑っている由宇。
「顔はいいのに、もったいない。もっと性格も可愛かったら良かったんですけどね。」
失礼な。「性格可愛くなくてすいませんね。」
ていうか顔が良いって、タレ目に韓国アイドルだった人が先祖に居るから顔が少し整っているくらいのことなのに。
そう由宇に言うと「可愛いのにも理由があるんですね。」と納得されてしまった。