「.....................小雨、帰ろ」



帰れないって言ってる私に対して、
手を伸ばしているちーくん。



「.................................っ、」



ちーくん、ズルいよ。



ちーくんは、優しすぎてズルい。



ちーくんへと、
手を伸ばそうとして、手を止めると。



「...........................ちーくん、怒ってない、の?」



と、遠慮がちに口に出した私。



すると、ちーくんは.....................



「.........ん。小雨には怒ってない。 怒ってるのは、もっと早く見つけれなかった自分に」



そう言って、私の手を強引に引っ張って、
ちーくんに、優しく手を握られた。