私と香は一緒になって先生が寝ていた1階の部屋を探しに来ていた。
先生の部屋は施設の玄関の真横にあり、さすがにカギがかかっている。


「中にはいないってこと?」

「わからないよ。事務所にカギを借りに行こう」


先生がどんなマジックを使ったのかわからないけれど、建物の外に出ているのは思えない。
私は香を促してシャワー室隣の事務所へと向かった。
事務所のドアは今は普通に開けられていて中に入ることができた。


「失礼します」


いつも職員室に入るときのクセで声をかける。
事務所の中には誰も居なくて電気もついていない。
壁に指を添わせて明かりをつけ、事務所内を見回す。

事務室とは名ばかりの狭い部屋で、デスクはふたつしかない。
奥には一応給湯室らしきものもあるけれど、あまり使われていなさそうだ。
カギがどこにあるかわからないから、充から聞いておけばよかったと一瞬後悔する。
しかし探してるとすぐに見つけることができた。